最近また面接があり、意向確認だけの軽いものだったのだけど面接は面接なので、「はい、ぜひやらせていただきたいと思います」と積極的な発言を連発した。
 次の日、予備校に挨拶とお礼に行った。僕は元来積極的な人間ではなく、面接のときは性格を作りに作る。作り物であるがゆえにそのテンションは数日間抜けない。なので予備校に行ったときにも同じ面接モードだった。「ぜひやらせていただきたいと思います」を連発した。結果どうなったかというと、その後のメールでのやり取りなどもあったのだけど、新入生のためのガイダンスで体験談を語ることに決定しました。
 悔やんでも悔やみきれない。メールでやり取りするころには面接モードも抜けていて「いやあ、僕じゃなくてもっと他に適任者がいるんじゃないでしょうか〜」と、自分は柄じゃないということをなんとか理解してもらおうとしたのだけど、挨拶に行ったときに言質とられてるという弱みもあって、結局押し切られてしまった。
 困り果てる。本当に僕は適任者じゃない。喋れない。そしてそんなことより、あの予備校にはほとんど行ってない。本音を語れというのならば、「独学で十分」だ。さらに本音を言えば「この予備校に通うぐらいなら独学で十分」だ。それを言っていいんだろうか。あの講師は自分たちに不利益になるようなことを望んでいるんだろうか。そういえばあの男、自分自身を傷つけかねないような危うい光を目の奥底に湛えていたっけ。
 湛えていない。ただの馬鹿だ。何を考えているのか。そんなに他に喋れるやつがいないのか。僕はゴミ溜めのエースなのか。ホームレスに拾われる部類か。それはそれで嬉しいが。
 参った。あと2週間、東京に居続けて無視するっていうのも、ええなあ〜。