今朝、帰郷。
 旅行記。東京だし、「野獣死すべし」のロケで使われたのぞき部屋があるんじゃないかなと思って、専門サイト優雅なる野獣を調べようとしたら閉鎖されているようだった。残念。
 後日、太宰の入水場所に行く前に歌舞伎町に寄ってブラブラしていたら、のぞき部屋の看板を見つける。すぐには入らず、近くにあったラーメン屋でラーメンを食いビールを飲んで、それから入店した。後で知ったのだけど、現在日本にのぞき部屋という形態の店は3店、しかも歌舞伎町にしか存在しないらしい。ラッキーといえばラッキー。
 入店し、携帯とカメラを預ける。写真をとるのは厳禁らしい。待合室のようなところへ通されたのだが、壁には禁を犯して踊り子を撮影してしまった人たちの反省文と免許証のコピーが貼ってあった。住所も本名も顔も分かる。こえええ。
 しばらく待った後、部屋へ。踊り子の空間があり、それをぐるっと取り囲むようにしてマジックミラー越しに覗くようになっている個室がいくつかあり、その一つに通された。椅子に座ると一杯になるような小さな部屋。
 踊り子が出てきて、ストリップを始める。冷房が効いていて涼しい。「野獣〜」で伊達がフローズンを食ってたのは、エアコンが無い時代だったからだろうか。映画のように朔太郎の「陽は断崖の上に昇り・・・」を詠もうとしたが、今の自分にこういうことするのは似合わないような気がしてやめた。
 しばらくすると女の子が来て、オプションサービスはどうかという。尺八とか。そういえば金払うときに受付がそんなこと言ってたっけ。のぞき部屋に来てそんなことするのは意味がわからないので「いや・・・いいです」と断る。
 踊り子は見るからにやる気が無い。そりゃそうだろうと思う。平日の真昼間に来た客一人のために、テンションは上がらないだろう。おざなりの動き。低血圧っていう名前の踊りみたいだった。
 結局、何もせずに時間切れを迎えた。2000円ナリ。公房先生は「見ることには愛があるが、見られることには憎悪がある」と言った。この言葉に共感できる歪んだ人なら、覗き部屋、お勧めですぞ!以上、風俗ライターAでした。