最近仕事が楽しい。仕事内容が楽しいというか、やっと脳に血が通ってきた感じがする。
高校卒業以降の、内面に極度に沈静した状況は(要するに引きこもり状態は)やはりというかなんというか、社会生活を送る能力を蝕んでいて、特に色々な出来事や人から言われたことを記憶して処理する能力に支障をきたしていた。
まあ、支障をきたしていたもなにも、自分で削った能力なのだ。天国に行く者は、現在しか認識してはならない。過去や、それを基盤にした未来に足場を作ってはならない。瞬間に同調せよ、と。宗教の信者なら、神と一人で対峙する、とか言うのだろうか。
そしてそれは、一般的な感情を失うことも意味しているのだけど、ソール・ベローの「ベラローザ・コネクション」には「記憶力とは感情のことだ」みたいな記述があった。小説自体は相当出来が悪いと思うけど、それは印象深かった。なるほど、感情を欠いては、記憶を編むことは非常に難しい。無意味な数字の羅列を記憶するのは困難で、僕には社会がそう見えていた。
入社当時、自分の能力のなさに失望しながらも、2年ぐらいで戻ればいいなあ、などとぼんやり考えていた。もうすぐその2年目。力強くこごうにもペダルがない、みたいな無力感からは、解放されつつあるようだ。








ところで、このブーツもいい。chausserのチャッカブーツ。変色するのだ。高いけど。しかしベージュのときは気取りすぎな感じがするし、とにかく扱いが難しそうな靴だ。