無能感に打ちのめされて僕は、ずっとイスに腰掛けている。周りの人は仕事をやっているのに、なぜ僕には仕事がないんだろうか。入って一ヶ月も経ってないのに、干されてるなんてかわいそうじゃないか。自分を哀れむ感情が、小学校の教科書に載ってた動物園のぼろぼろなダチョウの詩を思い出させた。
これはもう駝鳥ぢゃないぢゃないか。人間よ、もう止せ、こんな事は。
お・・・と、涙がこぼれそうになるのを必死でこらえた。ビバ高村光太郎。僕は自分を最大限慰めるために、このすばらしい詩を少しアレンジして、そっと誰にも聞こえぬように小さな声で読んでみた。
これはもう人間ぢゃないぢゃないか。駝鳥よ、もう止せ、こんな事は。
お、お・・・。涙がまたあふれそうになった。こらえ切れそうもなく、僕は顔を床に向けた。ほほを伝う涙ほど汚らわしいものはないからだ。ぽたり、ぽたりと滴が床に落ち、できた小さな小さな水たまりを僕は靴で蹴散らした。
それからもまたずっと暇な時間が続き、外界そのものに対するコンプレックスから僕はどんどん内面的になっていき、所属する課室が自分の内面のように見えてきたので、自分の喉に腰掛けて食道の方に向かって足をブラブラさせたりして時間を潰した。途中で靴が脱げ落ちて胃のほうにいったので取りにいったら、胃液に足を取られてツルツルすべり、胃の中で転げまわっていると外の僕が猛烈な吐き気に教われたらしくてゲーっとなって、僕が吐き出されて2人が1人に戻って、掃除の人が来てゲロをふき取ってくれたので僕は家に帰りました。