ちょっと引っ越しの荷造り関係で戻ってきております。
引っ越し先の社宅はひどかった。築25年?古っ。入ると玄関の土間に2匹ネズミが死んでいた。子ネズミ。安らかな顔をして。可愛かったけど、僕は「ハウスクリーニングはどうした!」と叫んでいた。社長に電話をかけようかと思った。「ハウスクリーニングはどうした!」「わが社にはそんなものはないんだよ、坊や」言われることは分かっているし、僕は常識人なのでそんなことはしなかったけど。
無駄に広い。2階建て。3人ぐらいは住める。1人なのにこんなに広さいらない。夜、空き部屋が怖い。空き部屋に何かがいる、何かがもう住み始めている。名づけることのできない生命体Xが。
明白な左遷。僕は前の課で何かをしでかしたんだろうか?いや、自信を持って言える、僕は何もしていないはず。ああ、そうか、何もしなかったのがいけなかったのか。
いらない子。ずっとそうだった。世の中から求められることのない人間だった。早々に僕はそれに慣れた。諦めてきた。すべてを。今回もまた、同じことが繰り返されている。
絶望の種は無限にある。僕はそれを、一つ一つ咲かせていく。
花ざかりの季節だ。